僕の値段/海月
 
あまりにも存在と言い続けてたら
僕に値段が付けられた
どうやら本人は値は分からないらしい

僕に誰が付けたか知らないが
誰かの存在だということを
知るのは意外と楽だった

遠く見える月の土地にすら
自分の場所を確保している
行くことすらしないのに

高層ビルの一番上
清らかな心を飛ばした
隣のビルの名も知らない人に笑われた
「まだあんなのがあるかよ」
と言う目は鋭く刺さった
結局飛ばした心を回収した

もともとない僕の値段を求め
清らかな心は錆びていった
綺麗にしようと自分の値段を知ろうとしている
汚れさだけが心に纏わり付く

社会に愚痴を言い続け
仕事に文句を言ってたら
値段すら付けて貰えなくなった
それすら本人は気づけない

ただ分かるのは
汚れた心が在ること

戻る   Point(2)