僕の値段/海月
あまりにも存在と言い続けてたら
僕に値段が付けられた
どうやら本人は値は分からないらしい
僕に誰が付けたか知らないが
誰かの存在だということを
知るのは意外と楽だった
遠く見える月の土地にすら
自分の場所を確保している
行くことすらしないのに
高層ビルの一番上
清らかな心を飛ばした
隣のビルの名も知らない人に笑われた
「まだあんなのがあるかよ」
と言う目は鋭く刺さった
結局飛ばした心を回収した
もともとない僕の値段を求め
清らかな心は錆びていった
綺麗にしようと自分の値段を知ろうとしている
汚れさだけが心に纏わり付く
社会に愚痴を言い続け
仕事に文句を言ってたら
値段すら付けて貰えなくなった
それすら本人は気づけない
ただ分かるのは
汚れた心が在ること
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