ちいねえちゃんと羽/mina
凍った蛇口の先にできたつらら とかも見る
ちいねえちゃんは
綺麗に光るものも好きだった
嬉しがって
ひょん、と滑りおちて睫毛をつたって出てきてはくれないかと
願いながら
霜の降りた畦道を歩く
初夢にちいねえちゃんが出てきたこと
おかあさんには内緒にしていた
薄化粧をした 最後の姿で
みんなが棺の蓋の釘を叩いた小石を 左手にもったまま
途方にくれていたからだ
そのままおかあさんのところへと行こうとしていたけど
とめておいた
羽アリが多くでた翌日は雨が降るという
ちいねえちゃんは
雨を降らすことも 飛び立つこともできずに
ずっと 眠り続けている
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