ちいねえちゃんと羽/mina
 
凍った蛇口の先にできたつらら とかも見る

  ちいねえちゃんは
  綺麗に光るものも好きだった

  嬉しがって
  ひょん、と滑りおちて睫毛をつたって出てきてはくれないかと
  願いながら
  霜の降りた畦道を歩く


  初夢にちいねえちゃんが出てきたこと
  おかあさんには内緒にしていた
  薄化粧をした 最後の姿で
  みんなが棺の蓋の釘を叩いた小石を 左手にもったまま
  途方にくれていたからだ

  そのままおかあさんのところへと行こうとしていたけど
  とめておいた


  羽アリが多くでた翌日は雨が降るという
  ちいねえちゃんは
  雨を降らすことも 飛び立つこともできずに
  ずっと 眠り続けている

戻る   Point(4)