蕾む乙女/ミゼット
 
その頃には衰えて
自分が何であったか 思い出せない

喜びを、その唇は歌う
たましいがここにあることへの喜び

何であったか 思い出せない

彼女は笑う
笑い、歌う

(世界は光にあふれ、私は 生きるために生きる)

何であったか 思い出せないけれど

音に触れる
声で遊ぶ

開かれた胸には、
ここに
ここに
たましいがあるの

あたたかく震える
今、声が聞こえる

「わたしのために歌え 小鳥」

よろこびのけもの

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