濁ったグレーの保護色/初代ドリンク嬢
 
先からでも見えるけれど
近くに行けば
塀に隠れて何も見えなくなる

美しくもない
むしろ
イライラさせる

町のねずみ色と
クリスマスの色は
水に浮く油のように
相容れず
その違和感が
イラつかせる

地球では
クリスマスに
様々な悪が行われる

それは
この違和感が作る
イライラのせいだ

だれも
私を見てはいない

雪から雨に変わった
くぐもった空気が
遮断する

ゆっくり動くワイパーに
私は消える

切り取られた景色のように
感じながら
薄気味の悪い
有線放送が耳に否応なく
飛び込んでくる

不愉快

不愉快にさせる
そのためだけに
赤と緑のいろんなものが
視界に入る

雨は雪に変わったから
そこには
趣味の悪い
いろんなものが
溢れて
雪の白さを汚すだけ

そして
私は
ただひとり
吐き気を抑えながら
悪態をつく

戻る   Point(4)