キャラメルと価値と詩について/馬場 こういち
 
アの習慣なのか?
 ソ連時代からか?」
「もし日本のコンビニで同じことをされたら?」
「ところで、これは一ルーブルの価値があるのか?」
「そもそも価値って?」

幸いにも、私はキャラメルのトラウマはありません。
むしろ甘いものはわりかし好きです。
なにより、咄嗟に一ルーブルの代わりにキャラメルを差しだす行為を「あ、素敵だな」と感じる人間です。
(そう感じるのは、今まで会ってきたロシア人の多くが無愛想だったからかも知れませんが。)


一ルーブルあれば、同じキャラメルが二個か三個は買えるかも知れません。
けれども、「この一個のキャラメルは、一ルーブル以上の価値がある」と、そ
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