暗号表/あおば
言葉を使いたくても使えない人もいる
原っぱで焚き火をしている人たちもいる
ダイオキシン汚染の公害防止に反すると
眉をひそめて黙って通り過ぎる人たちの群の中で
落ち葉は赤い舌をちらりと見せてくすぶり続け
風のない煙が目に染みる夕方には
つぎつぎと呪われた情報を伝えるかのように
狼煙のようにまっすぐに立ち上る
便利な言葉が通じないこともある
外国の人たちとばかりではなくて
昔から隣に住んで居ても
言葉の意味が違うことがある
狼煙の情報を読み解くには、
簡単な暗号表が必要なのだが、
暗号表の所在も分からないままに、
落ち葉の煙が原っぱに立ち昇っていく
作2002/10/25
フォーラム投稿にあたり一部修正しました。
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