文集/
 
 


ある日の彼女は群青の空気を背にこう言った
嗚呼なんて浅ましいのかそれでも人間か、生きものかと
朝焼けを目に押し充てて奥の神経は焦げつき黒い涙ばかりが
閉じた本の隙間から紙魚が出てきてワタシを食らってしまってもう、何も居ないよ

 
そうだ言葉の羅列は貴方たちへの批判であることを知ればいい

 
犬達は吠える嫌い嫌いと言う憎しみの籠もった雲は今に毒と成って落ちてくるだろう、死ぬのが賢明です
口から出るのは生暖かい泥だけで何にも役に立ちはしなかった

 
肩に力を入れて何も無い宙へ腕を持ち上げる
泣いてあげたいよ自分のためにだけ、
ワタシは誰かのために泣くのはとても悲しくて嫌いなのだから
 

泣き声ばかりが聞こえるこの海はとても冷たい
 


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