乗車/こめ
 
俺はどこに向かっている
がたがたなる列車に体をあづけて
どこまで続いているのかわからない線路を
列車はただの鉄の塊となって走っていた
周りを見渡しても誰もいない
どうやら俺一人しかこの列車には乗っていないようだ
窓の外を見てもずっとトンネルがつづいている
この列車はどこに向かっているのだろう
ふとポケットに手を突っ込んでみたら
中になにかはいっていた
それはどうやら乗車券のようだった
しかしその乗車券には行き先は俺の生まれ故郷だった
俺は夢をみて故郷を離れた
しかし結局夢は夢で終わってしまった
故郷には何もかも捨ててきた友達も親も小物も
そして恋人とも・・・
そんな
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