本音/炭本 樹宏
僕からそう遠くないところで
少女は泣いている
時代は弱肉強食
弱き者は部屋に束縛され
いずれ病院に搬送される
僕からそう遠くないところで
少年は処理できない情熱を
もてあましている
僕の無力な精神は
自らのバラバラの心を
生活の中でまぎらわすので
精一杯
泣かないで 少女よ
嘆かないで 少年よ
僕にある すこしばかりの
エネルギーを分けてあげたい
ぶっちゃけ
嫌なことばかりおこる日常に
ぺちゃんこになってしまってる
搾取される
奪われる
心の反映
いつもいつも
未来は僕を翻弄する
健気にいきていると
一生懸命生きている人を
見ると
涙が溢れ出してくる
こんなつらい人生を
死という誘惑を
必死に封印して
明日にむきあう
ただ
心と身体は有限だ
しびれるほど
苦しいのが
本音です
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