存在/こめ
ほとんど死んでる
みたいなぼくは存在も危うく
ここにいる
さっきも目の前を横切った人はいたけど
ぼくを助けにきてくれたんじゃない
月明かりにてらされ
少しわれを忘れた
手を伸ばしその光を手に入れようとしたけど
でも当然とどきはしない
ぼくはまだこのまま存在価値が
薄れていくのか
そんなのはいやだ
だが今頃どうあがいたって
なにがかわるというんだ
どうせぼくはこのまま存在が
無くなってしまうんだ
どうせな
すると今度は
太陽がぼくに手を差しのばしてくれた
ぼくはとどきはしないと
おもいながら
おそるおそる手を伸ばしてみた
すると確かにそのにはなにかがあった
いったいあれはなんだんだろう
しかし何かがあったのは確かだが
さわれたのかさわれなかったのかは
今もぼくの中では迷宮入りだった
でもそのなにかのおかげで
今のぼくが存在がある
ぼくの存在は今ここにある
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