水/こめ
涙の滴が落ちてきた
そして水たまりに落ちていった
そのはじけた弾みの波に
ぼくは巻き込まれていった
もがいても上へは上がれなかった
苦しくて意識がもうろうと
してきたけど光が水に差し込んできた
ぼくはそれにみとれて
苦しさを忘れ
外に出ることをあきらめた
もうそんなことはどうでもよかった
このままこの景色が見えるなら
死んでもいいかなと決めつけた
でもそんなに現実はあまくなく
苦しくて口から泡が出てきて
シャボン玉みたいになって
上のほうえすがたを消えていった
そしてもがきつづけると
水がぼ
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