夕暮れに咲く花/服部 剛
 


( やがて
  人知れぬ川の流れに運ばれる
  淡い光の灯篭船が
  全ての夜を越えて
  僕の貧しい胸の内側にひろがる闇の海に
  吸い込まれてゆく頃・・・)

夢の中の
日だまりに置かれた
小さい植木鉢に
ひとつの想いは
水をすいあげようと根をはりめぐらされた
黒土の下から萌えて

夕暮れてゆく空を映して
ほの青さとうす桃色のとけあう
花びらが開いてゆく

うつむいていたつぼみを

ゆっくりと空へむけて




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