ともにあること/竹節一二三
あなたの
においをかぐ
首筋からあたたかいにおいが
たちのぼる
しずかにほほえんでいてくれれば
それでよかったのに
あなたは私のそばにたっていてくれる
あなたのくちびるは
やわらかな夢
あなたのみみたぶは
あたたかな流れ
あなたは
母のように
父のように
私を抱きしめる腕
ともにいきよう
ともにすごそう
夢はいつまでも夢でしかかないのに
あなたはいつも
確信を持ってささやく
時折 その能天気さに
怒りを覚えたり
ため息をついたり
するけれども
この気持ちを
恋と呼ぶのだ
だれもが
恋と呼ぶのだ
戻る 編 削 Point(0)