梅雨/
 
 


冷凍した稚魚たちを詰め込んだ風船は
林檎ほどの大きさで骨を砕いてしまうだろう
8番目の鬱屈はあなたへの災難である
青白い手足をして笑うから
悲しい短い爪が、のびないと言うのだ

彼女はひやりとした口角をあげて
忘れてきた傘の泣き真似をするのだった


 
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