黒い穴みたいに/ふじわら
 
 幼いきょうだい達の目から流れる黒い涙が、滴り溜まって流れたら僕の足元まで浸って来て、足からだんだん染みてきて僕はだんだん染まっていって。だんだん体が重くなる。
 きっとこのまま死んでも後悔しないと思えてきた。

 だって僕の体が染まりきり、きょうだい達の悲しみを全部吸い取れたなら。自分の重さに潰されたなら。
 
 きょうだい達は泣き止んでいると思うから。
 きょうだい達は白く光ってくれると思うから。
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