ブランド/純太
 
棚を見つけてギラついたよね

されど「完売御礼」

瞳孔は従事者のトレースに蹂躙された

君は片割れの月の下を

とぼりぽつりと歩き帰る

わかっているさ

ブランド品の群衆は

もの言わぬ命の吟唱だから

波光を見た思い出を

また拾いに来たことぐらい

ほら

君の好きな逝った画家は

頭上の月のパレットに

タクトさながら筆を振り

狂おしく歓喜をしていた

彼の絵をまた今度見に行こうよ
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