雪の季節の心得/436
知ってるかい？
雪っていうのは、雨から変わってゆくときに
たくさんの音を吸収するんだよ。
だから、ここから見下ろす街はいつもと違って、
こんなにも静かで穏やかなんだ。
でも、気をつけないといけないよ。
君自身の音が奪われてしまわないように。
そう、それはつまり君の記憶なのだから。
君がここでこうしていることに、ちゃんと
自信をもってさえいれば大丈夫。
もし自分自身があやふやになってしまったら、
君のなかの音はあっという間に吸いとられてしまう。
そうならないように、自分の目で見て、自分の手で感じて、
自分の言葉で話しなさい。
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