世界の果てへ/436
 
全て押し潰してしまいたいという衝動
何処かに身体1つで飛びこんでみたいという欲求

そうすれば満足できるかも
そうすればなにか変わるかも

雨降りの夜に身投げした少年は
雨粒がどれだけ光りかがやいているのか知るだろう

雪の降る朝に死んだ老犬は
次第に積もりゆく白い塊におびえただろう

自己と他者の境界線があやふやになったころに
ようやく故郷の意味を悟るだろう僕は
ブレーキを外した自転車で坂道の上にいる

あとは下るだけ
なにが起きても
止まりはしない




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