生きる/The Boys On The Rock
 
乾いた風が汗ばんだ額と髪の毛をすり抜けるときも
大地を蹴る爪先に火山性の礫がかすめるときも
棕櫚の緑が覆う甘いオアシスの水の飲むときも
いまだ おまえの低いうなりと乳臭い匂いが
俺にまとわりついてくる

息をとめたおまえの唇と割れた頭の傷を綿花でふさぎ
荒野の小屋を後にしてからというもの
俺の周囲には 弟のにおいとささやきで満ちている
過酷な砂漠の太陽すら おまえの独特のイントネーションのように
舌足らずのささやきで俺の額を舐めている

天上の父に授かった新たなみしるしは
割礼の痛みよりも甘美で
すでにこと切れたおまえの皮膚には
刻まれてはいない 新しい契約の印だ

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