積雪、傘の上方にて/かぜきり
 
雪のしずむ日
頭上に積もる雪の重みを持ち手に感じ

傘をそっとゆすり
積雪をそろそろと振り払う

重みから放たれて
散華してゆく雪精が
ちらり、とときおりわたしをとおりゆく

そんなとき

傘を閉じたく思い
雪に触れたく願い

しろさとしろさをかさねあわせて
共に解(ほど)けてしまいたいと

柄を握り締める手のひらに燈りはじめた
仄かな灯りが

戻る   Point(2)