積雪、傘の上方にて/
かぜきり
雪のしずむ日
頭上に積もる雪の重みを持ち手に感じ
傘をそっとゆすり
積雪をそろそろと振り払う
重みから放たれて
散華してゆく雪精が
ちらり、とときおりわたしをとおりゆく
そんなとき
傘を閉じたく思い
雪に触れたく願い
しろさとしろさをかさねあわせて
共に解(ほど)けてしまいたいと
柄を握り締める手のひらに燈りはじめた
仄かな灯りが
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