マルセイユの傷/英水
 
岩が、海から大きく手を伸ばして 
意見を表明した


葬送へはまだ早い、あと一時間の休息が必要だ

最後のカーブ
停止線へのボタンを押すと
僕たちは水の棲みかへと勢いよく飛び込んだ


あのトキ、水は少し狂っていて 僕を刺した
流れ出す血を水へ還すことを僕は拒否し
それからというもの 鮫は陸へ上がって僕を探し
徘徊することになった


連鎖へのオマージュ、そしてそれでも僕は朝食にトーストを食べる


水中はあらゆる場所で繋がってる 
その事実に都市は嫉妬している
そして海は夜光性で目を光らせて
100℃の塊となり 押し黙ったままだった
魚たちはそのいずれにもまったく気付いていない


旅立ちのアプリオリ、あるいはその宿命


君は。。。。。



君よ 
君の足に生えることのなかった尾ひれへと
僕は白い血を還そう
そして僕の腕の鱗も、君色の肌へと。

そして笑って 

僕たちは南にある水門の前に立つ

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