帰郷/ゆうさく
 

あの頃に
戻れると思った
時が
止まるんだと思った

残酷な現実
帰郷しても
進む 時
私を見捨てて
進む 時

あの頃の君は
何処へ行った
私は誰

きっと私は
長い夢でも
見てるのでしょう
そうに違いない
そうに違いない

夢は覚めない
いつまでも
時は進む
どこまでも

私は深呼吸をして
涙でぬれた手で
赤くはれた
一つのニキビを
ゆっくり潰す

白い膿が
私の顔から巣立とうと
見えない羽を
必死で羽ばたかせている

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