消音器/かぜきり
 
思い出を・・・夜に捕らえられていませんか。
星が・・・二重を湛えていませんか。

奏でるものが両手をかかげ 柳眉を開いて見つめています

痛みは傷みですか・・・。
むしろ笑顔を侮ってはいませんか・・・。

影は解けずわたしを纏い 音叉を捧げて瞬いています

待っているのでしょうか
そう
待っているのでしょうか

そう

続けます
そのようにして続けます
響くことを
響き続けることを

つづけます

音色が、
夜に置いていかれた今ひとつ、が
虚ろを模した錆びた軋みを
掻き擁きし奏でるものを

ここだよ、と
生じて伝えるしぐさと・・・


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