波紋/ゆうさく
 

ポチャン・・・
私は石を投げる
何も考えずに
ひたすら投げる

急に周りが
シズカニナリマシタ
使われていない
風呂のよう

ポチャン・・・
ポチャン・・・・
ウキデハ
キエ
ウキデハ
キエタ・・・
白色の波
ウキデハ
キエ
ウキデハ
キエタ・・・

白色のこいつは
水に広がるとね
何かと結びつこうと
するんだよ
スルンダヨ
・・・これこそまさに
「人間の愛」の証明ナノデス

煙のように見えて
何か悲しく美しい
嗚呼
煙のように見えて憎いよ
何で憎いんだろう
私がイメージしてるのは
戦火かな
爆弾かな
人の恨みかな!
憎しみかな!!

きっと
私が投げ込んだのは
石でなく
人類の
歴史の悲しみである

私をこんなに想像させたのは
私にこんなに悲しみを見せたのは
乳白色のただの温泉の素である

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