氷道/ミゼット
ひうひうと喉を鳴らして
道を行く
あまり長いこと歩かないから
そのうちきっと倒れるのでしょう
倒れたらきっと
あとから来る 無慈悲な女が
私の身体を乗っ取って
ただの一度も使わなかったあの場所を
ありったけの武器にして
島から島へと
海から海へと
渡り、捨てては暮らすのでしょう
喉が鳴るのは風のせい
寒さのせいで笑っているの
(冬は好きだといったのに、冬はわたしを嫌いのよう)
次に転べば、
わたしはきっと
女となって暮らすのでしょう
わたしが女になったのならば
明日の朝には(いいえ、今すぐ)
それを使って暮らすのでしょう
一度手放してしまえば
わたしはそれにかじりつく、かぶりつく
わたしのそこを武器にして
渡り、捨てては 食べて、食べて、食べて、食べて、たべる。たべる!
ひうひうと喉を鳴らして
道を行く
(冬が好きだといったのに、冬はわたしが嫌いのよう)
女の影はまだ遠い。
けれど
次に転べば、
あ、あ、あ、とうとう
わたしは女に成り変わる。
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