今日のらくがき/炭本 樹宏
求めても手にはいらない理想郷
なんども自分を確認し
今いるここに魂の言葉を刻みつける作業
ここちいい冷たさを身に感じ
心は穏やか 頭はぼんやり
とりたてて騒ぐほどのことは
そう起こらない
毎日の慌しさのなかで
忘れさられてゆく
暖かな血の通う心のアルバム
しずかな夜は一人異次元に逃避行
あすなろの木にこの心をあずけ
いつか花園でふざけあい
この地に楽園をとりもどそう
限りなく続く時間の流れの中では
僕達はちっぽけな石ころのようなもの
舞い降りる天界からのながれぼし
居心地のいい街に住む
人々は語らないが
通じ合う笑顔にふれるだけで
僕はこの世に生まれてきたことを感謝する
多くは望まない
つつましく自分の道を歩くだけでいい
多くは求めない
君がいることだけで
僕は僕でいられるから
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