列なる者/かぜきり
 
ぱたむ


頭の中で
効果音をつけながら
目前で閉じた電車のドアをみつめる

なめらかに閉じた金属の扉はわたしがいっぽ後ろに下がると
そのままよこすべりしていった

くらり


まどろむ空間で
乗るはずだった電車は
既に視界におさまる場所になく
モータの音を響かせて・・・・
まばらなホームの空間が楚々とひらけてゆく・・・・

向かいのホームには駅員が一人
こちらを眺めているのかいないのか
目線散らして立っている・・・

わたしは一歩下がったままの姿勢で
うつむいて・・・・
ポケットにてをごそ、 とつっこむ

顔をあげれば駅員は黒猫になってい
[次のページ]
戻る   Point(1)