列なる者/かぜきり
ぱたむ
と
頭の中で
効果音をつけながら
目前で閉じた電車のドアをみつめる
なめらかに閉じた金属の扉はわたしがいっぽ後ろに下がると
そのままよこすべりしていった
くらり
と
まどろむ空間で
乗るはずだった電車は
既に視界におさまる場所になく
モータの音を響かせて・・・・
まばらなホームの空間が楚々とひらけてゆく・・・・
向かいのホームには駅員が一人
こちらを眺めているのかいないのか
目線散らして立っている・・・
わたしは一歩下がったままの姿勢で
うつむいて・・・・
ポケットにてをごそ、 とつっこむ
顔をあげれば駅員は黒猫になってい
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