転校/はな
だ手はやわらかだった
君は拗ねたように
だまって
あたたかい家へ はしっていった
青い、そらに
しずんでいるむすうのほし
ひとりになるたび
そっと掌におりて
からっぽのうつわになれ
と
どうして か
日をあびた草と
うんどうじょうと
おかあさんの
においのまざった かみのけ
だれもやらない悪役を
目立つから とまっさきに手を上げて
にんまり笑った
横顔
ほら
こわくない なんて
あたしはいつも
思ってもないことばかり 言っていたのに
うそつきな
小学生でした
君が好きでした}
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