太陽の足元/むらさき
 
後に 
ご機嫌なステップの女が一人 
電話で繋がる 
全ての愛する人に 
元気で歩いているよと 
そっと心でつぶやいてみる 
すれ違う人々には 
もう二度と会わないけれど 
この瞬間を生きていることを 
共に喜びたくて 
すれ違うように目配せをした 
今日は晴れだった 
明日も晴れだろう 
生まれた時は晴れだった 
死ぬ時も晴れだろう 
全ての愛する人に 
声を出さずに尋ねたくなる 
沈む太陽の足元に向かって 
あなたも元気に歩いていますか 
明日の朝には会えるはずだ 
コンクリートの割れ目に咲いた 
小さな一輪の白い花に 
戻る 編 削 Point(2)