短歌十句/炭本 樹宏
 

 まどろんだ夜明けに新しい希望を探す 過ちの過去時と共に薄れてゆく

 ありがたし我を案ずる人がいる 期待に答え今日も生きる

 煩わしい日々のストレス身に感じ 耐えて埋ずもるこたつの温もり

 勘違い惑わす言葉にあやつられ 根無し草の我頼りなし

 空想の若き日々を振り返り 胸の高鳴りもまれて消えそう

 涙にはいろんな想いがあるけれど 懸命に生きる汗かもしれない

 この星に生まれしことの意味探り 限りある生価値見い出して

 苦しみは人に授けるものでなく この身に溶かして微笑みに変えよう

 初心では懸命にことに当たりしも 麻痺していくのは悲しいさだめ

 約束の野鳥の交わす声ききて ちっぽけな悩みと感ずる神聖な朝



 
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