『新国 にっぽん 。』  /すぬかんながぐつ。 
 
なにもかもなくしたようで
ちゃんといま 何かが遺っているような 夕暮れ

 
母の手をじっと握りて 
その手に 哀しみ 歓び 来たりては 幾とせ  


まだうまれているはずのない
きょうだいの いのちの緒を かんがえてみる

 
われに いま ちいさな ゆめが
ありまして 念ずれば花 開くといわる 


毎夜みるユメヲたどりて
あなたとの 遠い恋など 想いを 馳せる


君が為
なにかできうることあるか
君はいまなにかかえているか


われにうたぶつけたるひと
前きありて
とまどいののちうけんと想う


みじゅくでも我幾度か 
恋重ね
我にうつくしき春は来るのか 


短歌詠むひとを淋しきひとといい
その寂しさなら
ひきうけまつらん


音と鳴ることば紡いではや幾とせ
倭との邦には 
まほろばなるか 


この国に住まいしひとの倖ちおもう
われは 新国ニッポンの 神








                           
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