舞台の演出は神様の云う通りに/炭本 樹宏
 
 黄緑色の太陽が僕を照らしだす
 灰色のアスファルトは人工の匂いがして
 雑多な看板は計算だかいやり取りの感触がして
 時々どの道をたどって家に帰ればいいのか
 わわらなくなる
 雑踏のなか全ての人は想いを別にして
 僕はスキをみて顔色をうかがう
 街の風景に溶け込むのも悪くない
 いろんな通りすがりの人たちが
 街の風景を描いていく
 
 初めましてから始まる
 さよならまでの出会い
 日々忘れ去られていく記憶の中で
 残されて行くのはほんの一握りの思い出
 それらを紡いでいって
 明日からの冒険の生活は続く

 いつかは知ることになる結末の舞台
 それぞれが舞台の上で主人公になり
 満足も不満も快楽も苦しみも
 はがれていって長いようで短い
 人生の道のりを終える

 見守るひと
 去るひと

 神様の決めたとおりに
 
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