詩人の墓前に祈る 〜北鎌倉・東慶寺にて〜 /服部 剛
今夜も僕はこれから詩を書くだろう。
この世界の何処かで初冬の密かな風に震えて
独り詩情を求めて街灯の灯る夜の小道を歩く
名も無き「もう一人の自分」の為に。
いつか詩集のページの中で出逢う、
未来に住むかけがえのないあなたと
今夜ランプの下で机に向かい詩作する僕との間に
時を越えて、風は吹きぬけてゆく
午後二時過ぎ、JR横須賀線・北鎌倉駅を降りると、偶然にも小
学生の息子を迎えに来た母親の詩友・Rさんと会う。詩集制作の
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