牛丼屋/
炭本 樹宏
腹が減ってねむれない
凍える夜に牛丼を食べにいった
何人か客がいて
それぞれ夜の人なんだ
昼間の人とはなんだか違う
言葉のやり取りもしないのに
親近感をもってしまう
紅しょうがをたっぷりまぶして
汁だくの牛丼をむさぼりつく
深夜の暗闇にかがやく店で
妙な安心感が漂っている
深夜に繰り広げられる
ひとときの宴
お腹もいっぱいになるけど
心も満たされる
たまに行く
牛丼屋
迷いがなくなる
牛丼屋
戻る
編
削
Point
(1)