なんでもできるはずだけど/初代ドリンク嬢
 
られなかった
ボールは地面に打ち付けられて
ころころと
用水路に入った

「ごぼごぼ
ほら、見て見て!
僕は魚にだってなれるんだ!
泳いでるよ!
このまま海まで行って世界中を旅するんだ!
ほら、
ヒレもついてるよ!」

ボールはビニール袋を引っ掛けながら
ごぼごぼと
流されていった

空からは
また笑い声が聞こえた

「今度は魚だって」

私は流れていく
ボールを見送った

「いってらっしゃい」
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