【批評ギルド】『沈黙』 早瀬ミキヲ/Monk
の行く末はない。このまま先に進んでいたとしたら
すでに消えてしまっているだろうし、停滞しているのであれば彼は
ここから先にも後にも動けない。後にも動けないだろう。精神の枝
のようなものは後戻りを許しそうにない。
文章の形式でこれを表しているのであってなかなか良作だと思うが、
そもそもこの作品は形式と心中するしかない作品であり、いまいち
ピンとこない人にとっては「なんとなくたどたどしい感じ?」くら
いの精神の枝のご様子が伺えるのみであって、あまりおもしろい作
品でもないだろう。この作中では精神の枝と言っているが、これは
八王子の隅っこでも良くて、単にスタート地点が精神か八王子かの
違いしかない。
八王子の
隅っこのような
ところに
立っている
だとしても形式としての整合性は取れており、このずっとさきに分
割したさきに精神の枝のようなものが登場してくることになるの
だった。でもそんな手前から書かなくてもまったく問題ない。
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