僕らは曲がりくねった鼻/奥津強
 
僕らは 一つの 曲がりくねった 鼻
尖り 早朝の 太陽に照らされた
老人の ショーツを 見ては
委託販売を 申し込み
狐の 和尚の 尻尾を 抱いては
あんなに 毛皮は 高いのに
呟く ふりをして
海に落ちた 雛鳥の 匂いを 嗅ぐ

交換するはず 
白兎の 呼吸は 戦地では
忙しい 坊主の 読経であり
狐は 匂いで
僕らは 腐臭を 嗅ぐ

ビッグママの 母乳に
恥を 捨てて 牛と知り
老人のショーツが
実は ふんどしとしり

僕らは 一つの 曲がりくねった 目
見える事はない
ない為に
今日も 朝焼けにある 
痴呆老人を 抱く
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