今 ここ 自分/炭本 樹宏
 

 夢の中でお経が響く
 頭の芯まで

 通りすぎ行く季節に
 追いつこうと
 もがき
 とりつくないながら生きる

 タイミングで分かる
 君の僕に対しての気持ち

 そんな気持ちに振りまわせる僕は
 魂の年齢がまだ幼いのだ

 行き場のない矛盾
 へんな気持ちだって
 いずれは風化することを学んだ

 恐れることなどない
 今日の次には明日が来る
 けじめをつけて
 まっさらの自分になればいい
 それだけだ

 遠くばかり見つめて
 足元に転がっている
 恵みの石ころに気づかなかった
 
 妨害電波が流されている世界で
 流れる雲に自分を映して
 自分を計り生きて行こう

 思えば言葉を操れずに
 言葉に弄ばれていた

 季節病にかかって
 自らを失っていた

 あせらずに
 今 ここ 自分


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