夢の続き/落合朱美
 
夕暮れのバス停で  
バスを何本も見送りながら  
いつまでも尽きない話をしていた  
木枯らしに吹かれて  
君が吐き出す白い息が  
ダイヤモンドダストに見えた  
教室も図書館も  
僕らはけして嫌いではなかったし  
どちらかといえば従順な生徒だった
けれど何かが足りない気がして
そんな隙間を埋めたくて
たくさんの本を読んでは
口々に夢を語り合っていたね
 
ねえ、あの頃話した夢たちを  
僕らは掴むことが出来たのだろうか  
問いかけたら君は  
さあね、と曖昧にうつむいて
煙草を揉み消す 
日々の煩わしい出来事だけが  
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