ビーチボール/
ライト
それは透明なビニールでできたビーチボールで
私のこころみたいなビーチボールで
私は滑車を回すハツカネズミみたいにビニールの上を走って
上じゃなくて中なんだと気づいたときには
世界は透明だった。
ゆらゆらとあてもなく揺れていた。
なにもない世界ではすることがない。
ゆらゆらと揺れていた。
なにもないというのが
心地よいということを感じながら
ゆらゆらと 揺れていた。
はじめてビーチボールの中に入ったとき。
私は狂っていたのだろう。
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