白墨と砂/
ミゼット
誰も知らないところへ行って
私は黙って砂を掘る
気に入らないの と言えなかったから
砂にうずめてどこかに流す
浜辺はそんなものばかりで
私が知っているだけだけれど
あの子が立っているその下は
前は私のどぶだった
誰も知らないところへ行って
寒い空の下 砂を掘る
気にいらないの が言えないばかりに
浜辺はそろそろ溢れてしまう
私は砂にうずもれて
誰も知らないところへ行くの
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