遠州のつき/
流人
遠くなった
初秋の新月の夜
ふと見上げると
漆黒の夜空は
無数の星たちに
彩られていた。
それはまた
手動のオルゴールの
原版の穴のように
闇夜を移動し
星の光という
音色を奏でながら
日中の賑わいを
しっとりと
冷ましていく。
さらに
幻想的な曲は続き
純粋無垢な
子供たちの
寝息を誘い
無限大な
夢の世界で
夜空の一部に
なることを
叶える。
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