滴り落ちる独り言/炭本 樹宏
宿命の階段を一歩づつ
登りながら
この時代に生まれてきた
意味を探している
ひとりきりの部屋で
独り言を話して
崩れそうになる自分を
なんとか支えてる
愚かなものに
与えられた人生は
苦痛に満ちたものになる
人ごみに混じって
よけいに孤独を感じるのは
歩く道を
誤ったからだからだろう
インドでも行きたいな
心の触れ合う時間を持ちたいな
そんな願いを
やはり
深夜の紫の空の星に
祈りを捧げつつ
軽い頭痛とはなじみになった
眠れぬよるに
独り言が滴り落ちる
戻る 編 削 Point(3)