滴り落ちる独り言/炭本 樹宏
 

 
 宿命の階段を一歩づつ
 登りながら
 この時代に生まれてきた
 意味を探している

 ひとりきりの部屋で
 独り言を話して
 崩れそうになる自分を
 なんとか支えてる

 愚かなものに
 与えられた人生は
 苦痛に満ちたものになる

 人ごみに混じって
 よけいに孤独を感じるのは
 歩く道を
 誤ったからだからだろう

 インドでも行きたいな
 心の触れ合う時間を持ちたいな
 そんな願いを
 やはり
 深夜の紫の空の星に
 祈りを捧げつつ
 軽い頭痛とはなじみになった
 眠れぬよるに
 独り言が滴り落ちる

 

 
 
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