滴り落ちる独り言/炭本 樹宏
 
 いままでだってそうだけど
 時代 人に流されて
 いつのまにか
 こんな犬小屋みたいな部屋にいる

 あいかわらず
 おきまりの
 人間関係の
 トラブルに
 巻き込まれ
 寝つきが悪い

 深夜に自動販売機で買う
 缶コーヒー
 人影もなく
 静けさだけが
 僕を包む
 悪くない

 人はただ
 癒されて 
 眠りたいのだ
 
 願いはむなしく
 煙草の煙と共に
 宙に舞いあがるだけ

 僕は死に向かって
 なだらかに
 時の船に揺られる

 幼子は夢の中でブランコをして 
 遊んでいる頃だろう
 もう 僕の手の届かない世界

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