秋枯れ/黒田康之
は何もいわない
骨であるからには何も求めない
それが道理だ
だが
骨は私の口からあーあというため息を引きずり出してしまった
それからというもの私の口からは
出るわ出るわ
とめどもないため息の奥から
湧き上がるような愚痴の数々が
綿々と
もこもこと
湧き上がってきたのだ
私の中にはこれらのものが
息を潜めて
自分たちの世界の言葉で静かに私を語っていたのだ
萎えてしまった
私は私の上部から
私は私の深部から
彼らを抜き落とされて
もうすでに萎えてしまった
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