夕陽/ことは
 
校舎の四階の窓から見える
真っ赤な夕陽が。

あたしを責めているようにしか見えなかった。

あまりに綺麗で
まっすぐで

避けて、逃げて、ばかりいるのあたしを
蔑むかのように
赤く染め上げた

思わず、泣きそうになった
怖かったんだ
あたしの全てを、否定されているみたいで
見たくなかったんだ
自信たっぷりの、その輝きを

目を逸らしても
夕陽はそこに変わらないまま
ずぅっと定位置で、輝いていた

あたしは逃げるかのように
夕陽に背を向けて、家路へと、自転車を漕ぎ出した。
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