毎日/松本 涼
 


溶けない絵の具で描くように
毎日が色を重ねていく

とうに恥じらいをほどいた僕には
全ては取り乱す間も無く
宙の中に起きているようだ


それでも毎日は
すれ違い重なり
また遠ざかり飽和する
人々のたましいをその度に

奇妙にまだらに醜く美しく描いては
僕の前に広げてみせる


不思議であるとすれば
どうしたって僕が其れから
目を逸らせずにいることだけなんだろう



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