太陽みたいな/日雇いくん◆hiyatQ6h0c
 
すんでいた。大げさな芝居と展開がそれに輪をかけていた。普段なら間違いなく見ることのないものだったが、あえてそのままにした。画面の方を向きながらあれこれと思う。いつ別れを切り出されるのか、ただ単に本当に気分がすぐれないだけなのか。彼女の様子を観察して推測しようにもじっとして動かないままだった。そして突然、出会った日のことを思い出す。
 何年前になるだろうか、まだきちんとした就職をしていなくて、派遣でオフィス関連のソフトを触っていた。午前10時から午後6時までの入力が主な業務。時給1250円の週5回、残業はなるべくしないでまっすぐ家に帰り、就職のための資格習得の勉強をしていた。その派遣先で、彼女と出
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