夜と私/まどろむ海月
夜がやって来た
挨拶がわりに
手元にあったまたたびをさしだすと
なんと 長い舌を出して べろっとなめ取った
裏返しになってよだれを流し
でろでろになったところを見ると
どうやら 夜は 猫科らしいのが知れた
しきりに もっとくれろと せがむので
そんなにだらしなく酔っぱらわれては 二度とあげられない
明晩 きちんと出直して来たら 少しだけなめさせてあげよう
と言ったら よたよたしながらひっこんで行った
翌晩 夜は 綺麗な黒猫の姿でやって来た
またたびをなめさせると ごろごろと気持ちよさそうに
身体をなすりつけてくるので しばらく撫でてやっていたら
や
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