手向け(骨)/蒸発王
 


何か


小声で呟いて


微笑んだ



悔しい事に
俺は何となく悟った

この銀色になったダチが欲しかったのは

俺がかせいだ
百人分の笑いではなく
この
不器用な女の
はにかんだ微笑だと

俺は何となく悟った



少し迷いながら
あの女の肩を抱いて


もっと前を向いて笑え  と


涙交じりの声で呼びかけてしまった




畜生め
俺の負けだ




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